いろんな本を読みたい!から始まり、久しぶりに短編小説を手に取りました。
『箱庭図書館』は、ミステリー、ホラー、恋愛、青春など、さまざまなジャンルが入り混じった作品です。
短編小説でありながら、物語の中で主人公が別の物語に登場人物として現れる構成になっており、
あっ!陰キャの彼だ!
前の彼女だーー!
前の話に戻って確認しながら読み進める楽しさがあります。
本の内容 と 作者
本の内容
「物語を紡ぐ町」で切なく、温かく、季節のように重なり合う6つのストーリー。
ミステリー、ホラー、恋愛、青春…乙一の魅力が詰まった傑作短編集です。
- 小説家のつくり方
- コンビニ日和!
- 青春絶縁体
- ワンダーランド
- 王国の旗
- ホワイト・ステップ
『箱庭図書館』は、読者からボツになった原稿を送ってもらい、それを作者が自由にリメイクして物語を作るという趣旨の本だそうです。
本のタイトルもTwitterで応募され、「箱庭図書館」と素敵なタイトルになったとのこと。
とても楽しいですね。
作者 乙一(おついち)
日本の小説家、映画監督。
日本推理作家協会会員、本格ミステリ作家クラブ会員。
山白朝子(やましろ あさこ)や中田永一(なかた えいいち)の別名義でも小説を執筆しています。
人生は歩きまわる影法師
「ホワイト・ステップ」で「じんせいはあるきまわるかげぼうし」と雪面に文字を書き、青年が少女に文字を残します。
今度は公園のベンチでスマホを操作している青年に向かって、少女が「人生は歩きまわる影法師」とつぶやくという、なんとも人との出会いが楽しい場面があります。
私は知っているのに、あなたは知らない。
ちょっと寂しくもあり、うれしい。
私しかしらないあなたみたいな気分。
「ジョジョの奇妙な冒険/ストーンオーシャン」のエンポリオ・アルニーニョの最終回のような気分です。
この「人生は歩きまわる影法師」は、シェイクスピアの引用だそうです。
そこで調べてみました。
「人生は歩きまわる影法師、あわれな役者だ!」これはシェイクスピアの『マクベス』の一場面だそうです。
ひとつ勉強になりました。シェイクスピアの『マクベス』!
今度読んでみようかな。
先にYouTubeで観てみようかなぁ。
他人の人生を追体験
久しぶりに小説を読んで、他人の人生を追体験しました。
母を失った娘の気持ち、娘を失った母の気持ち。
クラスの女子としゃべれない男子生徒の気持ちを再確認しました。
「自分にもやさしく、他人にもやさしく」
気持ちに余裕がなくなると、きつくなる性格。
無意識でもそうなれる人になりつつありたい。
あやこの感想
本を読んでいる時、読者の原稿を自由にリメイクしたことを知らずに、
「この登場人物、口悪いなーー。苦手かも!?」って思ったんです。
ですが、最後に投稿者の原稿をそのまま使ったみたいで、なんか、ほっとしました。
今度は、何読もうかなぁ。
コメント